Yojo hub / 筋骨格

腰の痛みは、
腰を治しても消えない

揉んでも三日で戻る腰痛・肩こり・膝の違和感。
PNFCは痛い場所を「犯人」ではなく「しわ寄せが集まった現場」として見立てます。

朝、ベッドの端で腰に手を当てて立ち上がる直前
Key points / このページの要点
  • 痛い場所は「犯人」ではなく、上流のしわ寄せが集まった「現場」として見立てます。
  • 揉んでも三日で戻るのは、上流にある骨盤・股関節・深層の筋が変わっていないからです。
  • 順番は「内臓と骨格を先に、筋肉はその後」。鍛える前に、眠っている深層を起こします。

揉んでも、また三日で戻ってくる

マッサージで強めにほぐしてもらった帰り道は、ふっと軽くなった感触があります。三日もすると、また同じ場所がしくしくと痛みはじめる。その繰り返しを、何年も続けてきた方がいます。

膝が重い方に、腰も重い。腰が重い方に、肩もこっている。複数の場所が同時に重いのに、それぞれ別の原因だと思い込んで、別々に対処してきた。そういう過去をお持ちの方が、PNFCの現場には少なくありません。

手すりをつかみ、膝を気にしながら一段ずつ階段を降りる足元
動くたびに、頭の片隅に痛みがよぎる。

階段を降りるとき、膝の角度を頭の片隅で気にしている。荷物を持ち上げるとき、背中に構える感触がある。生活が止まるほどではない。けれど、毎日のあちこちで、動くたびに痛みがよぎります。

痛い場所は、たいてい被害者にすぎない

PNFCは、痛みのある場所を「犯人」として見ません。腰の痛みは、お尻や股関節の深い場所が硬くなった結果として、しわ寄せが集まっている現場です。肩こりは、首から肩甲骨、そして深層の呼吸筋までたどっていく連鎖の終点です。

古い家の縁側。傾いた土台石のせいで、上の床板が割れている
割れた床板を直しても、傾いた土台がそのままなら、また割れる。

ハムストリングが硬いから骨盤が立たない。骨盤が立たないから腰に負荷が集まる。腰に負荷が集まるから、肩まで連鎖が広がる。複数の痛みは、ひとつの上流から枝分かれしているのです。

基盤にあるのは、PNF(固有受容性神経筋促通法)という神経と筋の連携を読み解く理論です。神経の信号がどこで止まり、どの筋が眠り、どの筋がそれを補おうと頑張りすぎているか。その流れの中で、痛みの本当の在りかが見えてきます。

筋骨格を、PNFCはこう見ている

概念図 / 不調の三層構造

第1層 表に現れている症状 腰痛 / 肩こり / 首こり / 膝の違和感 / 朝の動きづらさ — ここを揉んでも、しばらくすると戻ってくる この奥に 第2層 巡りと呼吸の停滞 血の流れが鈍る / 水の巡りが滞る / 呼吸が浅くなる / 自律神経の揺れ — 第1層の症状を作り出している、ひとつ手前の流れ さらに奥に 第3層 / 根 五臓の循環と季節のリズム 前の季節の過ごし方 / 五臓の連鎖 / 動かし方のズレ / 深層の眠り — ここに手がつくと、上の二層が一緒にほどけはじめる

不調はいつも、第1層に姿を現します。腰の重さも、膝の違和感も、目に見えてつらいのはこの一番上の階層です。けれどもPNFCの見立ては、そこで止まりません。第1層の症状を生んでいるのは、その下にある巡りや呼吸の停滞であり、さらにその根のところには、季節のリズムと五臓の循環があります。

第1層を揉んでもなかなか変わらないのは、上流の二層がそのままだからです。逆に言えば、第3層の根のところに手がつくと、第2層と第1層は静かに、けれども確かに、一緒にほどけはじめるのです。これがPNFCが「順番」をなにより大切にする理由です。

「揉む」から「起こす」へ

内臓と骨格を先に動かし、筋肉はその後。これがPNFCの順番です。骨格が整わないかぎり、筋肉はいつまでも補い続けるだけです。だからPNFCは「鍛えれば治る」という前提から問い直します。

眠っている深層の筋を起こし、神経の信号を通し、回旋の動きを取り戻す。上流から順番に行うと、下流の痛みは無理に揉まなくても、静かになっていきます。朝、ベッドから立ち上がるとき、腰に「よいしょ」が要らない。その日常は、痛い場所を揉んだ先ではなく、上流に手をつけた先にあります。

朝、軽く立ち上がって窓に向かって伸びをする後ろ姿
腰に「よいしょ」が要らない朝。

この「起こす」を身体で覚える場が、代々木にあります。動かしながら使い方そのものを覚えなおす養生ムービング・ストレッチ 個人レッスンと、立つ・歩く・踏みかえるという回数の多い動きから整えなおすムービング・ステップ 個人レッスン。そして、赤ちゃんが力まず立ち上がる仕組み——意識しなくても姿勢を保つ原始姿勢反射——を大人の身体で呼び覚ます一日講習です。眠っている深層を起こすという話は、ここにまっすぐつながっています。ご自身の身体を整えるなら個人レッスン。学んだことを家族や身近な方、指導している方へ伝えていく側に立ちたい方には、ムービング・ストレッチ認定講習会があります。

What comes next

その先で分かること

風流の里の筋骨格の記事は、この順番で深くなっていきます。後ろほど深い層に届きます。

  1. 連鎖の地図を知る痛い場所が被害者であることを確認し、上流の候補を絞る。腰・肩・膝の連鎖をひとつの流れとして読む
  2. 眠っている深層を確認する骨盤・ハムストリング・深層筋のどこが信号を失っているかを読む
  3. 内臓と骨格を先に動かすPNFCの順番:内臓→骨格→深層筋→表層筋。筋肉へのアプローチはここで初めて意味を持つ
  4. 日常の動作に落とし込む「揉む」から「起こす」へ。季節の動き方を日々に組み込んでいく

痛い場所をほぐす作業だけでは、同じ場所が同じかたちで戻ってきます。ただし、上流を見ずに第3・第4段階へ進んでも、根は動かないまま終わります。順番を守るために、記事は段階ごとに分けて書かれています。

段階ごとの記事は、風流会員のサイト「風流の里」で読めます。

月¥2,980(税込)・いつでも解約できます。風流レターは、季節ごとの身体の見方を手紙で受け取るところから始められます。

Articles

腰痛・肩こり・膝の記事

痛む場所ごとではなく、連鎖の読み方から書かれた記事です。

  • 揉んでも戻る痛みの正体
  • 膝の痛みを膝で治そうとしていませんか
  • 春に関節が痛むのは、肝臓のサインかもしれない
  • 「鍛えれば治る」は本当か
  • 力を抜けないのは、自律神経が関わっている
  • 身体は「対角線」で動いている
  • 肩こりの原点は肩にない
  • 腰痛と「回旋」の深い関係
  • 膝が痛いとき、足首を見てみてください
  • 止まって伸ばすストレッチ、動いて戻すストレッチ

ここに挙げたのは一部です。筋骨格(腰痛・肩こり・膝)の記事は全26本。すべて風流会員のサイト「風流の里」で読めます。

FAQ

よくある質問

腰痛は、なぜ揉んでも戻るのですか?
痛い場所は多くの場合、連鎖のしわ寄せが集まった「被害者」だからです。上流にある骨盤・股関節・深層の筋が変わらないかぎり、同じ場所に同じかたちで戻ってきます。
筋力をつければ治りますか?
PNFCは「鍛えれば治る」という前提から問い直します。骨格が整わないうちは、筋肉は補い続けるだけです。内臓と骨格を先に動かし、筋肉はその後——この順番で見立てます。
肩こりと腰痛が両方あるのは偶然ですか?
偶然ではない、というのがPNFCの見立てです。ひとつの上流から枝分かれして、腰と肩の両方に出ている連鎖です。別々に対処するより、上流をひとつ辿るほうが早いのです。
記事はどこで読めますか?
筋骨格カテゴリの記事は、風流会員のサイト「風流の里」で読み放題です。対面で確かめたい方には、養生ムービング・ストレッチ/ムービング・ステップの個人レッスンもあります。

本ページは身体の見方のご紹介です。医療行為ではなく、感じ方・変化のあらわれ方には個人差があります。診断・治療を要する症状は医療機関へのご相談を優先してください。

ホワイトボードに五臓を描きながら、オンラインで進む養生の部屋
毎月1回、オンラインで。全国から集まった方に向けて、その季節の身体を解いていきます。
Furyu member ・ 養生の部屋

季節がめぐるたび、
身体の観方が新しくなる

月に一度のオンライン勉強会「養生の部屋」です。その季節の身体に起きること――冷え、こわばり、巡りの乱れ――を、高田一壽がホワイトボードに五臓や経絡を描きながら解いていきます。2022年から毎月、いまも続いています。過去の回は、風流会員がいつでも見返せます。

  • 「養生の部屋」の過去回アーカイブが見放題(毎月1回ずつ増えます)
  • 100本超の養生記事が読み放題
  • 症状・季節から探せる切り抜きライブラリと学習ロードマップ
¥2,980/月(税込) いつでもワンクリックで解約できます

お手元の風流レターと同じ視点を、動画と記事でまとめて追えるようにしたものです。